Kiss and Cry

ちょっと遅くなりましたが、『M-1』3回戦・最終日@東京についての感想です。

M-1グランプリ2007』3回戦・第3回(ルミネtheよしもと

最終日は34組が出場し、14組が合格となりました。初日2日目はなかなか会場の空気が暖まらなかった気もしましたが、この日は最初から楽しい漫才が続き、過去の準決勝進出者が多いのもうなずける戦いだったと思います。

なので、残念ながら敗退となった中でも会場を沸かせていたコンビもいて、ハマカーンサカイストは合格しても不思議ではなかったような気がします。特にサカイストは今年がラストイヤーだったそうで、まさにそれが伝わるような漫才だと思いました。私が見た中では一番面白いサカイストでした。

同じくラストイヤーだったカリカも準決勝に進むことができず。2人で言い争いをしながら舞台に出てきて漫才をするという、最初からコントのようなネタをやっていましたが、今年ここまでの『M-1』を見ているとそれが仇(あだ)になったのかなあ…という気もします。

またまた例によってのシロート目線なのですが、何となく今年は「漫才であること」が重要視されているように思います。M-1』なのだから当たり前のことなのだけど、今までは最初からがっちりコント(またはショートコント)をやるつもりのネタも良しとされていました。ところが今年は、これが残念な結果につながる危険をはらんでいるような感じがします。漫才の中の「設定」としてのコントはアリのようですし、それと「がっちりコント」との差はうまく言い表せないのだけど、何かしらの線引きがなされているような…。この3回戦3日間と東京・大阪の2回戦を見てそんなふうに思いました。

合格した14組はもちろんどれも面白かったけど、ハリセンボンが思いのほか気持ちがこもっている漫才で驚きました。あれならカドノタクゾウとかもう要らないような気もするけど。おなじみ「死んで〜」のザ・パンチは、松尾さんが浜崎さんに同意するだけじゃなく、さらに浜崎さんが先にツッコミワードを言っちゃうという、より変則的なスタイルになっていてグゥー。5人組の超新塾も横一列に並んだり、4人で文字を作ったりするだけではなく、5人で円陣を組むという場面もあり、見ていて目新しさを感じました。ネタ自体も面白かったです。

サンドウィッチマン楽天のユニフォーム姿だったけど、それだけ力が入っていたということでしょうか?微妙な言葉の間違いが生む面白さは何度見ても楽しいです。数少ない東北出身芸人として、そろそろ決勝まで行ってほしいですね。2回戦が見られなかったキングコングは、おそらく以前からやっているであろう、洋服屋さんの店員とお客さんの設定の漫才。久しぶりに見たからなのか、気合が違っていたのか、予想より面白かったです。キングコング時代の『横丁へよ〜こちょ!』が見たくなったのは、梶原さんがすごい勢いで西野さんのツッコミをかわす場面があったからかな?我が家も2回戦と同じく楽しい漫才でした。パンクブーブーは出場順が最後で、期待の高さの表れ?と思ったりもして。今回も面白かったけれど、どちらかというと私は2回戦のほうが好きかな〜。ともあれ、準決勝が本当に楽しみなコンビです。

帰り際、新宿駅のルミネ楽屋口に近い東南口の改札前や、山手線の駅のホームで、この日敗退した芸人さんたちを何人か見ました。ケータイで「ダメでした〜」と作り笑いで報告している人もいたし、ファンの女の子に励まされているコンビもいたし、心なしかちょっと暗い顔で誰かを待っている人たちもいました。MCのはりけ〜んず・前田さんが「出場者は準決勝まで行ってしまえば気持ちも吹っ切れている。だから一番緊張するのは3回戦」というようなことを言っていたけど、そういう切ない光景を見ると、3回戦の重要さがより伝わってくるような気がしました。

一夜明けて昨日、3組の追加合格が発表になりました。はだか電球はまだ見ていませんが、ハイキングウォーキングは落ちたのが残念だったし、ジパング上陸作戦も外国人と日本人のコンビの中で、唯一それにとらわれすぎないネタだったと思います。どのコンビも一度は落胆を味わった人たちの代表として、準決勝でも思いっきり笑わせて欲しいですね。

さ〜て、今年は準決勝のチケットが手に入るかなあ…。笑いの神様、お願いっ!

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