いいじゃないの、面白いなら

あれよあれよと言う間に、明日は決戦の日。もちろん『M-1グランプリ』のことです。出場順も以下のようになりました(今年の東京予選の感想はコチラをたどってください)。

(1)ダイアン
(2)笑い飯
(3)モンスターエンジン
(4)ナイツ
(5)U字工事
(6)ザ・パンチ
(7)ノンスタイル
(8)キングコング
(9)敗者復活戦勝者

まず今年の選考ですが、例年のように議論が起きることもなく、順当だったんじゃないかと思います。このところ、「××枠」みたいなことにこだわったり、変にテーマみたいなものが作られたりして、どうも3回戦までと準決勝の選び方に違いがあるような感じもしていたのですが、今年は何かにとらわれることなく、本当に準決勝で面白かった8組が選ばれたと思っています。去年、敗者復活戦で勝ち上がったサンドウィッチマンが優勝したことも関係あったりするんでしょうか。そういえば、今年の準決勝の審査員は例年より人数も多かったですし、新たに加わった方もいたようでした。

選ばれた8組はバラエティ番組が増えたこともあって、M-1』に少なからず興味をもっている人にとってはどこかで1度は見たことのあるコンビばかりだと思います。今までなら決勝進出者が発表になると、必ず何組かは検索ランキング上位に入っていたけれど、今年はU字工事の名前を見たぐらいでした(それも1,2回程度)。
でも、その一方で出場コンビの長い漫才ネタを見たことがあるかというと、テレビではなかなか見る機会がなかった気がします。逆に「ショートネタやあらびき芸なら知ってるけど…」という人は多いでしょう。だからこそ、出場する人たちは「テレビに求められたものではなく、自分たちの本当の漫才を見てほしい」と思っているはず、たぶん。長いネタ、特に漫才はテレビでなかなか見られるチャンスがありませんが、若手の面白いコンビばかりが集まったこの大会で是非その楽しさを見せつけてほしいし、見る側も審査は審査員の大御所にお任せして、是非楽しんでほしいと思います。

とは言え、やっぱり優勝の行方は気になるもの(笑)。あちこちに予想が出ていますが、私は「審査員の皆さんは意外と出場コンビのネタをよく知らないことが多い」というのもひとつのポイントかなと思います。去年優勝したサンドウィッチマンも、予選を見てきた一般人のほうがよく知っていたぐらいですし、今大会の出場順を決める抽選会の時点で、島田紳助さんにとってナイツは無名の存在だったようです。
だからといって、明日の本番まで予備知識ゼロとは言えませんが、いずれにしても、ネタを見る回数は劇場にまで足を運ぶ、お笑いファンのほうが多い場合もあると思います。もちろん、審査をする方々は「笑いのプロ」ですから、既にその時点で一般人とは評価の仕方が違うわけですが、今までに見た回数というのも結果を左右する要素のように思います。
今年は初出場が多く、しかも東京を拠点とするコンビがほとんどです。なので、これまでに決勝進出経験があるダイアン、笑い飯キングコングは今までと比較しながらの審査になると思いますが、それ以外は本当に明日の一発勝負かもしれません。

というわけで、優勝は初出場コンビが…と言いたいところですが、個人的には期待をこめて笑い飯兄さんに!と言っておきます。予想というより、むしろ希望ね(笑)。出場順とか、どんなネタをやるとか、いろいろ条件はあるけれど、ここまで来たらあとは何となくの印象と期待で(じゃあ上であーだこーだ書いたのは何なんだということになるけど、そこがシロート・笑)。ここ2年ほどは最終決戦も逃していますが、2005年の『ハッピーバースデー』のネタに続く、大バカなネタを期待したいと思います。最後は2人の思い切ったダブルピースを見てみたいです(笑)。

そして忘れてならないのは敗者復活戦。もちろん今年も現地に行きます!もう4年連続で毎年寒空の下、日がな一日、外で漫才を見ているかと思うと我ながらあきれてしまいますが、どうも病みつきになってしまう独特な面白さがあります。
どういうわけか毎年、現地観戦組の勝ちあがり予想はかなり絞られ、ほとんどの人が予想を的中させる結果に。激戦と思われる敗者復活戦ですが、実は意外と混戦になりません。冬の屋外で最後の1枚の切符を賭ける過酷な戦いでは、実力と気持ち、両方をうまく出し切り、更に運を味方につけるのは本当に難しいことなのでしょう。
そして、いよいよ決勝の放送が始まり、9組目が出場すると、それまで別のコンビを応援していた人たちも、息を呑んで大画面に注目し、みんな一丸となって心の中で応援します。そして結果にため息が漏れることもあれば、去年のような奇跡の大逆転に歓喜の声が上がることもあります。年に一度、お笑いどスケベな人々の一体感が生まれる瞬間です(笑)。

今年、どのコンビが大井競馬場に詰め掛けた人たちの応援を一身に受けることになるのか、それは優勝者を予想するより難しいでしょう。今年は大阪予選をまったく見ていませんので、もし東京から選ばれるならと考えると、やはりパンクブーブーに頑張ってほしいところ。準決勝のネタも受けていたし、去年までなら通過してもおかしくなかったと思いますが、ほかのコンビが良すぎた感がありました。なので、ここで奮起を期待したいです。あとは、チーモンチョーチュウ、それから予選と違うネタで同じぐらい会場を沸かせればピースにも勝機がありそうな気がします。

そんなこんなで、明日は丸1日『M-1』モード。ううっ、楽しみすぎる…。バカオトナ万歳!