この親にしてこの子あり

いよいよ昨日から今年のM-1グランプリも開幕しましたが、土曜日深夜のやりすぎコージーでは第3回 もうひとつのM-1グランプリを開催。こちらは本家と違って「M-1」の「M」は「身内」の「M」。芸人さんたちは一番近しい身内である、お父さんやお母さんの書いたネタで優勝に挑みます。今回出場したのは、いずれも2003年の本家『M-1グランプリ』決勝に出場した面々。アメリカザリガニ2丁拳銃、そして当時の優勝コンビのフットボールアワーです。

トップバッターのアメリカザリガニは、ボケの平井さんのお母さんが書いたネタで、タイトルは「仕事をするなら」。いきなり2人で声を合わせて「ハーイ、アメリカザリガニでーすっ!」といつもと違う出だし。夏にするならどんな仕事が良い?という話でしたが、お母さん、「ライフセーバー」を「ライフサーバー」ケアレスミス。それでも、2人は台本どおりの漫才を展開します。結局、やっぱり漫才師が一番良いということになり、最後も声を合わせて「頑張りま〜す!」…これでおしまい。斬新なスタイルのネタを考えたお母さんは恋多き女性で、今も時々平井さんに再婚話をほのめかすのだとか。元モデルということもあって交際範囲は広く、芸能界の方ともいろんな感じでお付き合いがあるらしいです。

続いて登場したのがフットボールアワー。ネタを書くのはツッコミの後藤さんのお父さん。ギターが趣味で、紹介VTRではフラメンコっぽい曲を弾いていました。そんなお父さんが書いたネタは「保険」。気にかかっていることの1つなんだそうです。内容は岩尾さんの髪が薄くなっていることから、ハゲた時におりる保険がないかという話になり、そこから最近多い保険のCMに出たいとつながるのですが、「(ギャラは)お安くしておきますよ、保険会社さ〜ん!」と岩尾さんが叫んだ後、それには一切触れず、話は外交員のおばちゃんのことへ。そして、そもそも微妙だったボケとツッコミの役割が、この辺からいつもと逆になっていきます。結局、最後は岩尾さんが「もうええわ!」。…この世界に入って初めての「もうええわ」。こんなことでもなければ、体験できなかったでしょう。

最後は二丁拳銃。ボケの小堀さんのお母さんがネタを書きますが、小堀さんはこの番組の『好きよあなた芸人奥さんフォトグランプリ』で奥さんとお子さんを披露しており、今回のご両親の登場で身内の主要メンバーは全員出演したことになります。取材スタッフが実家で話を聞くと、お母さんと話している時にもお父さんが「ちょっとかまへんか?」とやさしい口調で邪魔します。そのお父さん、漫才については「横山やすしさんのように迫力出して」、音楽の方は「あれは歌とは聞こえない歌い方」と厳しいお言葉。お父さんは元カラオケの先生なんだそうです。そして、「カラオケボックスで95点を出した」と自慢げに話すと、お母さんが「もう、ええ!」…これぞ夫婦漫才。奇しくもお母さんのネタのタイトルは「夫婦」。「どこへ行くのも一緒だけど、ケンカばっかり」だの「6月のなんばグランド花月の時にはパンを100個以上お客さんにばらまいた」だのとさりげなく自分達夫婦をアピールする内容でしたが、実はこのお父さんとお母さん、一度離婚して復縁したんだそうです。

結局、この戦いを制したのはフットボールアワー。本家と合わせて二冠を達成しました。

それにしても、芸人さんってやっぱり家庭環境がちょっと面白いですね。変わったエピソードの1つや2つ提供してくれるぐらいは当たり前なのかも。