前説芸のなせる業

う〜ん、契約どうしようかなあ…と迷っていたヨシモトファンダンゴTVですが、結局継続してみることにしました。しかも、解約を考えたのも継続を決めたのもヨシモト∞(無限大)』がきっかけ。というわけで、もうちょっと見てみようと思った『∞』での はりけ〜んずの話を。

ヨシモト∞(無限大)』(ファンダンゴTV)

ほっしゃん。さんが担当する、まったりムードの第2部。先週日曜日のゲストははりけ〜んずトータルテンボスだいたひかるさんでした。だいたさんの恋の話も飛び出した放送でしたが、私が面白いなあと思ったのは はりけ〜んずの前説の話です。

前説というのは、観覧のお客さんを入れた番組の収録の前に行われるもので、芸人さんたちが笑いをとりつつ、注意事項を説明したり、拍手の練習をしたりして、会場の雰囲気を盛り上げます。ルミネtheよしもとでも、7じ9じや1じ3じの前に若手芸人さんがやってますね。はりけ〜んずは その前説のキャリアが長く、しかも定評もあるので、普通だったら名指しされることのない仕事なのに、はりけ〜んずの場合は番組制作に吉本興業が絡んでいるかどうかにかかわらず、わざわざご指名を受けて行くほどなんだそうです。

今や前田さんのオタクキャラ全開のはりけ〜んずですが、芸歴15年のキャリアがあり、M-1グランプリ』の予選やスペシャルツアーなどでMCもするコンビ。そんなはりけ〜んずの前説歴が始まったのは、もはや知ってる人の年齢層が限られるであろう番組『独占!女の60分でした。それから数々の番組で前説を経験し、現在は開運!なんでも鑑定団テレビ東京)や世界ウルルン滞在記(TBS)などを担当しているそう。もちろん、過去には大変な思いをしたこともあったそうで、その1つが出演者が遅刻した時。出演する人が何かの事情で遅れていたのですが、印象が悪くなるからとそのことはお客さんに言えず、延々前説でつなぎ(確か1時間以上と言っていたと思うけど失念)、いよいよ本番となった頃にはお客さんと共に乗り切ったという、客席との妙な連帯感が生まれていたそうです(笑)。

番組の最後の方で少しだけ前説の様子を見せてくれたのだけど、やはり乗せ方が上手。前田さんの「皆さん、お待たせしちゃってすみませんね〜。皆さんが外に並んでる間、僕達にできることと言えば漫才ぐらいなんですけど、やろうと思ったらコイツ(相方の新井さん)が嫌がるんですよ〜」とか「拍手の練習は、他の芸人は何回もやりますよ。でも、僕たちの時は1回。ラッキーですね〜」というすべての人向けのものから、『なんでも鑑定団』を見に来るような年齢層の高い方向けの「皆さん元気ですね〜。ただ、平均年齢が高い」とか「その指輪、本物ですか?こっちによこしなさい。鑑定団に見てもらいますから」といったものまで、さまざまな鉄板のパターンがあります。以前、『第3のツボ』(ファンダンゴTV)のスペシャルでも前説の話をしていて、出演した板尾創路さんに「前説DVDを出せ」と言われていたけど、これだけキャリアがあってご指名を受けるほどとなれば、もはや1つの芸。この日のMCのほっしゃん。さんには「観客の顔が見えるようだ」と言われていましたが、まさにそんな感じでした。

私は子供の頃から物を創る人や裏方さんにすごく興味があって、今もメインの人よりそれを支える人の話に惹かれるところがあります。この日のはりけ〜んずの話もそんな感じでとても面白く、もっともっといろんなことを聞いてみたいと思ったほどでした。ほっしゃん。さんの『∞』ではこういう普段聞けない話が出てきたり、リラックスした出演者のいつもと違う一面が見られることがあり、番組のまったりムードとあいまって、いい感じのグダグダな魅力が出てきた気がします。ゲームコーナーができたのも良かったかもしれませんね。

ネット配信(第2部は18時〜21時):http://mycasty.jp/mugendai/index_bbs.html