生命の熱をまっすぐに放つように

M-1グランプリ』準決勝を見てきました。早起きとファンクラブ会員の合わせ技で、かなり前の方で見ることができました。当日券争奪戦については また別の機会に触れるとして、ここでは例によって雑感を書いてみたいと思います。

今日の出場者は35組。ここまで東京で戦い続けたコンビだけでなく、大阪からもチュートリアルレイザーラモン、アマチュアさんだあず、そして優勝候補と言われる南海キャンディーズ麒麟が参戦しました。

3回戦までことごとく勝ち抜け予想が外れているので(苦笑)ここでもしませんが、個人的に今日一番良かったのはハリガネロック。ネタは理想のデートでした。もう一度ボケと突っ込みの役割を元に戻しての挑戦でしたが、渾身の漫才で気迫が伝わってきたし、何より面白かった。そして、笑いながらもあまりのすごさに感激で泣きそうになりました。今年はM-1も含めてたくさんの漫才を見たけど、胸に来るものを感じて涙が出そうになったのはハリガネロックの漫才が初めてです。ネタが終わった後でユウキロックさんが自身のブログに書き込みをしていましたが、まさに会心の出来だったと思います。是非、決勝に進んで晴れの舞台でもう一度感動させてほしいと思いました。

それから、4番目と早い段階で出場したチュートリアルは「らしさ」が全面に出ていてすごく良かったです。時に初見の人にはついて行きにくい方向に進むこともある徳井さんのボケが、今日はクリーンヒットしたように思います。バーベキューに行きたいというネタで、串焼きの食材をどういう順番で刺すか?ということに異常にこだわる徳井さん。福田さんが適当に言った順番にダメ出しをしたかと思うと、逆に「(その順番は)ニューヨークスタイルやん!」と気味が悪いぐらい食いつき、さらには「(バーベキューの串焼きの)ホームページ立ち上げてんのか?」と言ったり、順番を並べる福田さんを「それ以上やったらおかしな方向に行ってしまう!」と途中でさえぎったりするという、例によってとてつもない方向にボケていく漫才でしたが、これまた面白かった。大阪で見た3回戦でも、直前に出た千鳥の勢いに負けない漫才だと思いましたが、今日の準決勝もおそらくアウェイの戦いだったにもかかわらず、お客さんにも受けてたし、すごく良かったです。

他の出場者を覚えている範囲で振り返ると、トップバッターのザ・たっちは引き続きおすぎとピーコネタ。『お笑いLIVE10!』(TBS)でもやったばかりですが、ホリエモンこと堀江貴文ライブドア社長のモノマネを取り入れるなど、テレビとは違うところも若干ありました。レイザーラモンは出渕さんがRGではなく、普通に登場。下ネタ満載で、たぶん1回戦と同じ内容だったんじゃないでしょうか?品川庄司は庄司さんがドラマで劇的に殺される刑事役をやりたいというネタ。品川さんのボケに庄司さんが力一杯突っ込み、同じボケを繰り返してさらに笑わせるという流れでした。品川庄司は私が見る時は、なぜかテレビでも劇場でもいつも同じネタでしたが、M-1を通して他のネタを見ることができました。2回戦でも見たは、今回も全編ニセ韓国語での漫才。韓国語っぽいせりふの中に日本語がチラチラ混じるのですが、準決勝の方が日本語増量気味かな?

それからこの日唯一のマチュアさんだあずNHK朝日放送のディレクターコンビ。NHKのディレクターさんの方が言葉の端々に出てくる「NHKらしさ」を指摘されると、NHKちゃうわ!」と勤務先を隠そうとするネタでした。(※追記 「NHKちゃうわ!」の山田さんは、この時点で本当にNHKの人じゃなかったみたいです⇒こちらオリエンタルラジオは やはり武勇伝ではなく、普通の漫才。ネタの最後に「特典映像」と称して、ネタ合わせの様子をメイキングみたいな感じで再現していたのですが、うーん、先輩たちの漫才を見すぎちゃったような印象を受けました。ザブングル逆ギレのネタで「カッチカチやぞ!」と「悔しいです!」のギャグを存分に披露。しかし何度見てもインパクトのあるお顔で…(笑)。昨年再結成のジャリズムは、山下さんが格闘家になり、渡辺さんが実況するという話。終わった後、MCのはりけ〜んず・前田さんが渡辺さんに「面白かった」と言ったら、ものすごい笑顔だったそうです。私も面白かった。タイムマシーン3号はデブの遊園地、デブニーランドネタ。よくデブネタとかブスネタとか、自分の欠点をオチにする漫才ってよくあるけど、M-1用としてはアリなのかなあ?とちょっと思ったりしました。

そして準決勝終盤は、昨年決勝に進んだコンビが続々登場。東京ダイナマイトは得意の就職面接の話。何度も見てるんだけど、毎回笑わされます。ちなみに、今回も日本刀持参(笑)。もちろん「麒麟です」も忘れません。トータルテンボスは大村さんが「聞いてよ、ウソなんだけどさ〜」と架空の1日の行動を話すというネタ。最初に藤田さんが何気なく話したことにオチがつながり、個人的にはとても好きな展開です。南海キャンディーズしずちゃんが幼稚園の先生になる話。例によって、しずちゃんが暴走しまくってました。POISON GIRL BAND しりとりネタ。良いですね、相変わらず。良いグダグダです。今日は じんましんも出なかったでしょう。関係ないけど、私は吉田さんのブログを愛読しています。トリの麒麟野球の実況ネタ。途中、アドリブと思しき「バ〜カ!」「馬面!」「お前も馬面じゃ!」と悪口を言い合う場面では、川島さんが田村さんに(馬面の)お前の(鳴き声)“ヒヒーン”は貧乏の“貧”じゃ!」と反撃(笑)。貧乏話はお客さんにも浸透済でした。この辺のやり取りを審査員の方々に「ライブ感がある」と受け取ってもらえるといいのですが…。なんだかんだと結構見ているネタでしたが、お2人ともいつもより緊張していたような気もしました。実際、田村さんは「震えが止まらない」と言っていたそうです。

麒麟だけに限らず、どのコンビにも準決勝の舞台はかなり緊張する場のようで、今までになくセリフがつっかえたり、間違えたりする芸人さんが多かった気がします。中には大事なところでつまずき、「頑張って乗り越えて!」と応援モードで見たコンビもありました。あとは、何となくどこかで見た題材のネタだったり、他の漫才師とスタイルが似ていたりするコンビもいて、その辺りがちょっと気になりました。これだけ漫才師がいて、それぞれにいろいろなネタを書くわけだから、内容やスタイルが似通うのは仕方のないことだと思います。でもせっかくここまで来たのだし、ちょっともったいないような感じがしました。

いろいろ書きましたが、結局のところ、今日の準決勝は みんな本当に面白くて、楽しくて、感動したし、迫力や勢いも感じられたし、緊張感も伝わってきました。睡眠時間3時間ぐらいで当日券に賭けた甲斐がありました。本当にみんなすばらしかった。今日は大・大・大満足です!

大阪では明日準決勝が行われ、12月25日の決勝出場者は来週12日のお昼ごろ、公式サイトで発表になります。