直球勝負!
そんなこんなでしばらく『M-1グランプリ』に明け暮れ、ろくにテレビも見れず、ビデオがたまる一方だったのですが、そろそろ消化していきたいと思います。で、とりあえず『しりとり竜王戦』を。
今年最後の『しりとり竜王戦』。今回もさまざまな言葉が乱れ飛びましたが、いちばんの盛り上がりを見せ、さらに波乱も呼んだお題は「『ロッキー10』のサブタイトル」。よゐこ・有野さん、ライセンス・藤原さん、千原ジュニアさん、アンガールズ・山根さんが出場した予選Bブロックで出題されました。
有野さんは今回優勝すれば、板尾創路さんに次いで永世竜王になれるチャンス。しかし、勝負の世界はそれほど甘くありません。1問目の「スケールの小さい言葉」では、有野さんを含め、4人とも今ひとつ乗り切れてない感じでしたが、2問目の「『ロッキー10』のサブタイトル」で全員が一気に爆発。テーマに合った言葉をイメージする「しりとりイマジネーション」での対決でした。
例題の「熟年離婚を乗り越えて」に続く答えは、ジュニアさんの「手に職をつける」(笑)。いきなりロッキーの悲しい末路が見えてきます。この後もジュニアさんは「打たれすぎたのか…」、「こうなったらいつまでも」、さらには「怒りのアフガン」ならぬ「怒りの就職活動」と、かなり悲惨な生活に転じたロッキーを思わせる答えを繰り出します。これに負けていなかったのが、ジュニアさんの次の回答者で、今回が2度目の出場となる山根さん。最初こそ「手に職をつける」の「“る”終わり」に苦しみ、「ルンメニゲ」とドイツの元サッカー選手の名前でしのいだものの、2巡目の「勝ち負けにこだわらない」で一気にペースをつかみます。そして「宇宙へ」、「もう終わり!」と、何かが吹っ切れたような回答でポイントを稼ぎました。
これに対して有野さんは永世竜王の座がかかって緊張していた様子。「ゲロまみれロッキーの巻」、「異種格闘技 ロッキー対手品師」と、こちらもジュニアさんと同じ悲しげな路線の答えを出してきますが、3巡目の山根さんの「宇宙へ」に続くところで「屁が出ちゃった」と超直球な答え(苦笑)。最後は「リスと戦う」と再び異種格闘技に持ち込みました。そして、おそらく有野さんと同じぐらい緊張していたのが初出場の藤原さん。「朝から緊張していて、コーヒーがあるのにまたコーヒーを入れたりした」そうで、かなりのプレッシャーがうかがえます。回答の方は「きっと嫁はエイドリアンだと思う」、「心配しないで下さい」と、こちらのロッキーもかなりヤバそう。3巡目と4巡目は「たくさんの息子」、「うまい話に乗る」と有名人にありがちな転落人生を感じさせる答えでした。
結局、このグループで準決勝に進んだのは、ジュニアさんと山根さん。有野さんは優勝どころか、予選で姿を消したのでした。山根さんの炸裂ぶりはすごかったですからね。来年に期待しましょう。
準決勝では、Aグループで勝ち残った、初出場のほっしゃん。さんとジュニアさんが対戦。山根さんはAグループ2位の板尾さんと戦いました。ところが、どちらの対戦も経験の少ない出場者が「ん」で終わる言葉を出してしまい、3点減点のペナルティを受けてしまいます。これが響いてリズムが乱れたのか、ほっしゃん。さんはジュニアさんに敗れ、山根さんは獲得ポイントが相殺されて、準決勝なのに0ポイントという前代未聞のスコアで、板尾さんの前に散ったのでした。
決勝は板尾さん対ジュニアさん。2人に出されたお題はテーマは「詐欺師っぽい言葉」で、テーマに合った言葉でつなぐ「しりとりセンスマッチ」での対戦です。この日、妙にテンションの高い板尾さんは「スペースシャトルはこれがあるから帰ってきたんですよ」で口火を切ると、「科学的に根拠のある一方通行」、「ラッパのマークのモデルになったラッパです」と、次々に相手を煙に巻く言葉を生み出します。そして、予選のテーマ「サンタクロースのソリを引くトナカイの一言」での「鹿賀丈史さんの家は今年も留守ですね」、「鹿賀丈史さん、帰って来ましたよ」に続く実名入りの言葉、「蛾次郎さんどうですか、つけ心地は」、さらには「4日後に笑ってください」、「4年前は、確かにアタシ男だったよ」とつなぎ、永世竜王の貫禄を見せます。
難敵・板尾さんに挑戦のジュニアさんは、言葉だけでなく、表情やちょっとした芝居も交えつつのしりとり。「予言しましょうか?」、「嘘じゃないよ、5億入るんだから」とMCのいとうせいこうさんに「“詐欺師っぽい”じゃなくて、本当の詐欺師の言葉だ」と突っ込まれながらもペースを乱しません。この後は「好きなんだ、キミとキミが」、「晴れてるでしょ?(この後、無言で自分を指差す…“俺のおかげ”ってこと?・笑)」、「『伊東家の食卓』でも今度やるとか言ってたよ」、「容赦ないんですね、警察って」として、ここで対戦が終了しました。
そして第12回の決勝は、1ポイント差でジュニアさんの勝利。どちらが勝ってもおかしくない一戦でした。
それにしても、山根さんは天然さんとの合わせ技なのか、すごい力がありそうで次も楽しみですね。予選も面白かったけど、準決勝のテーマ「頭の良さそうな言葉」で「大好き、勉強!」なんて言われたら、もう単純に笑うしかないですわ。