たまには ハメをはずして

ブログ開始半年で初めてデザインを変えてみました。だからって特に意味はないんですけどね。意味がないと言えば、ずっと書きたかったアノ番組…。というわけでダイバスターでございます。

『FNS 地球特捜隊 ダイバスター』(フジテレビ)

「日本語」をテーマにしたクイズ番組が増え、夜中でも簡単に知的好奇心を満たすような番組が多い今日このごろ。そんな流れに逆行するのが『ダイバスター』です。

ダイバスター」とは、「来るべき知的地球外生命体からの質問にそなえ、あらゆる謎を調査・解明するために組織された調査機関」のこと。こう聞くとSF特撮モノを想像するかもしれませんが、さにあらず。まず、ダイバスターのメンバーは生身の人間ではなく、すべてアニメ。しかも、画面は微妙に色あせていて、かつて「アニメ」を「マンガ」と呼んでいた世代の心を刺激します。その上、画のタッチは往年の名作『科学忍者隊 ガッチャマンをほうふつとさせる感じだし、ダイバスター自体の構成もガッチャマンにさも似たり。博士の指示を受けて、隊員のリュウ(男前で“大鷲の健”)、ユリッペ(唯一の女性。もちろん“白鳥のジュン”)、マルさん(小太りだから、おそらく“みみずくの竜”)、ジュンペイ(少年だし、名前からいっても“燕の甚平”)の4人が調査に出かけます。

ところが調査内容たるや、実にどうでもいいことばかり。最新の昨日放送分では「頭突き医院を探せ!」「タコ差別問題」など、一見重大問題かと思わせるものもありましたが、「頭突き医院」は 実在する病院の入口に描いてある、医者と患者が互いに頭を下げている絵が頭突きしているように見えるという話で、調査も実際に病院の絵を確認しただけ。同じフジテレビの『トリビアの泉』なら関係者に話を聞くところでしょうけど、そんなことはなく、補足トリビアがあるわけでもなく、ましてやスタジオのゲストもいないから、これにコメントすることもなし。ただ見てきただけで終わりです(苦笑)。何せ正味20分ぐらいの中で5,6個の問題を解決するんですからね、無駄な時間はないの。

「タコ差別」の方は イカリングがあってなぜタコリングがないのかという、それこそどうでもいい内容。実際に ある食堂(これはアニメじゃなくて実写)にタコを持ち込み、タコリングを作ってもらいましたが、調査に行ったユリッペは店の人(こちらも本物の店員さん)に「私達アニメなので、代わりに試食してもらっていいですか?」と言う始末。ダイバスターアンタッチャブルなことなんてないんですね。他にも、古くからの言い伝えで「夜に爪を切ると親の死に目に会えない」と言われているのに、爪切りに夜景の絵が描いてあったということで、「爪切りに夜の絵が描いてある問題」の調査にも乗り出しましたが、発売元の担当者が外出中。問題は持ち越しになりました。ゆるいぞ、ダイバスター

そしてこのダイバスターのさらなる特徴は、すべてがパターン化されていること。まず番組の流れは、博士が調査内容を発表⇒なぜか順番に全員の驚愕の表情のアップ⇒博士の「行け、ダイバスター!」の声で出動⇒調査⇒基地に戻る の繰り返し。ただし毎回最後の調査の時には、必ずリュウジが博士に たてついて殴られます。そこにスロー&オルゴールバージョンのテーマソングが流れ、博士が切々と語ってリュウジも納得。再び「行け、ダイバスター!」で出動します。そして番組の最後はいつも、博士のオヤジギャグ的ジョークにみんなが笑っておしまい。あ、そうそう、スポンサー様への気配りもぬかりなく、途中には必ず「ウィーダーinゼリー」でチャージする場面があります。最近は冒頭にユリッペのシャワーシーンがあったり、街頭インタビューを早く終わらせるアイテム「ショウジキ銃」が登場したりしましたが、こちらも今後パターン化していきそうです。

パターン化しているのは番組の流れだけでなく、登場人物の動きの種類にも言えること。例えば、4人の隊員は通常時の話をしているアップと驚きの表情、調査に向かう時に出てくる走る姿ぐらい。博士に至っては、通常時と「行け、ダイバスター!」のポーズだけ。これらに博士に殴られるリュウジやユリッペのシャワーシーンやチャージする場面などが加わる程度と、何ともチープな作りです。

トリビア』みたいに印象に残ることもあまりなく、知識を得たい人には肩透かしを食らわせるような『ダイバスター』。だけど全編パロディー風なこの番組には、見ていくごとにクセになる変な魅力があります。不定期土曜深夜の放送ですが、是非一度、肩の力を抜きまくってご覧下さい。いつかアウトローコンドルのジョー・タイプの隊員も出てこないかなあ…。

番組サイト:http://wwwz.fujitv.co.jp/dybastar/index2.html