Walk on the wild side(その2)

『ジャルってんじゃねぇよ』@東京、前半からの続きです。

ジェンガ

息を呑むほどの戦いの後は一瞬で決着がついてしまうネタ。積み上げられた木片のブロックを倒さないように1つずつ抜いていく「ジェンガ」。なぜかこれに麦わら帽子をかぶって挑んだ福徳さんは帽子のひさしで…。セリフもなく、ただそれだけです。ええ。

『水泳部部活紹介』

新入生に部の活動を紹介するはずの水泳部の2人。水泳帽のせいで目が釣りあがっている2人は、なぜか何もしゃべらず、ただただ妙な動きをするばかり。1人でやっていたのが2人で一緒の動きをするようになり、見てるほうもそれがジワジワと面白くなり…。延々それが続き、最後に「水泳部でした」と言っておしまい。ジェンガ』に続いて、セリフがほとんどないコントでした。

『Kumo』

黒の全身タイツを着て、お尻の部分にはビニール紐を仕込み、外国のアニメに出てきそうなクモに扮した2人。最初は そろって楽しそうに糸(これがビニール紐)を出していたのですが、福徳さんのほうは途中で切れてしまいます。うまくいかない福徳グモを尻目に後藤グモのほうは喜んで糸を出し続けます。でもさすがにかわいそうに思ったのか、後藤さんが福徳さんにもう一度糸を出す方法をアドバイスすると元通りに!再び2人で糸を出します。それだけのことなのに、客席は思わず拍手。セリフは「ケンカ」のコントのようなエセ外国語で、ただ糸を出し続ける2人を見てるだけなのに、なぜかほっこりするというか、バカバカしいというか、そんなコントでした。

ストリートミュージシャン

尾崎豊『アイラブユー』をアカペラで歌うストリートミュージシャンの福徳さん。それを見ていた後藤さんは、いちいち歌詞に突っ込む最悪のお客さん。しかも、そのツッコミたるや、やたら声がでかい上に、「オレって面白いだろ〜」オーラがギラギラなのです。でも言ってることは「それ、壊れてるだけ〜っ!」とか「ちゃうちゃう〜っ!」みたいなありがちなことばかりで完全に福徳さんの邪魔。たちの悪いことこの上なしのタイプなのです。ここまであからさまじゃなくても、こういう人って絶対いるよな〜、と思わずにはいられないネタでした。

『ダダこねサラリーマン』

上司の後藤さんにリストラを通告された福徳さん。何とかそれを逃れようとするのだけど、だんだんその様子は子供が駄々をこねるかのようになり、「イヤや〜!絶対イヤや〜っ!」と叫びながら床に大の字になって手足をバタバタさせたり、後藤さんの口元に指を持っていって物を言わせないようにしたり。その大人ではありえない振る舞いと後藤さんの戸惑いぶりがたまらなく面白かったです。

『ハンドイートマン』

このネタだけは、なぜか始まる前に「ハンドイートマン」のタイトルコールが。客席からは「お〜っ!」という歓声が上がりましたが、それだけ認知されてるということなんでしょうかね。内容のほうは「家庭教師」シリーズの1つで、後藤さんが先生で福徳さんが生徒。ところがこの2人、実は目の前にある他人の手を食べたくなる「ハンドイートマン」だったのですっ!教えたり、教えられたりしている間に相手の手に釘付けになる2人。だんだんとそれがエスカレートし、勉強よりも手の取り合いをすることになっちゃいます。それにしても、何でこのコントを皆さんご存知だったんでしょうね?全国放送では見た記憶がないんだけど…。関西からの遠征組とか、某動画サイトで見た方とかですかね?

『第2の人生』

『しりとり』の後日談的コント。結局、大将は店を手放し、従業員だった福徳さんも回転寿司屋を始めたものの、バイトに高校生を使ったことが仇(あだ)になり、その店をつぶしてしまいました。そこで2人が再起を賭けたのは歌手の道。そのためにはまずデモテープを作ろう、というわけで、2人はザ・ブームの『風になりたい』を熱唱。ところが、再生してみると福徳さんの声が全然入ってなかったり、ものすごく小さかったり、言ってもいないはずのことが入っていたり。大将は隣で歌っていた福徳さんよりラジカセのほうを信用し、勝手に裏切られた気分になってしまいます。そんな状況の中で、結局2人がたどり着いた「第2の人生」は歌手ではなく…という話。あまり表情を変えない後藤さんが振り回されるのも面白いけど、福徳さんが右往左往するコントもいいよね〜。

エンディング

今回のすべてのコントのハイライトが流れ、さらにDVDのメニュー画面か『カウントダウンTV』のアルバム紹介のようにコントのタイトルが歌のタイトルのように扱われ、ハイライトが映し出されるバックに2人のでまかせの歌が流れていました(苦笑)。ちなみに、最後の『第2の人生』の後ろに流れていたのは、『千鳥のぼっけぇTV』(GAORA)で熱唱していた「そうじゃないよ、絶対」。う〜いぇいっ。

その後、再び2人が登場。「今日は僕たちのプロモーションビデオ撮影会に来ていただき、ありがとうございました」というコメントで終了。そして帰りには、あたかもアルバム発売の宣伝のような「NEW ALBUM 『ジャルってんじゃねぇよ』」というポストカードが配られました(笑)。最後の最後まで手を抜かないのね。ポストカードには全コントのタイトルも書かれていて、私にとってはうれしい限りでした(苦笑)。

このほか、前にも書いたとおりブリッジVTRが2本ありました。内容は下記の通り。

重すぎるバッグをなかなか動かせず四苦八苦していたら、バッグがどこかに消えてしまう話。

・平積みにしたたくさんの本を持って部屋を出て行こうとする福徳さん。ところが、本を持つのとドアを開けるのを一度にできずに難儀します。そこへやってきた後藤さんと力を合わせて何とかしようとするのだけど、後藤さんはなぜかズボンがずり下がり、これとドアを開けるのをいっぺんにできず…という困った2人の話。

どちらもセリフがない上にモノクロで、BGMには映画『スティング』の曲を使用。コントとは違う、いたってシンプルなものでした。

というわけで、コント14本をたたみかけられて大満足の2時間弱。見たことのあるコントも5,6本あり、「グレイテストヒッツ」っぽい感じもしましたが、それでもなおワクワクしながら見ちゃったんだよなあ。関西の期待の若手と言われているようですが、個人的にはそういうことを逆手にとってワイルドに突き進んで欲しいと思います。質問の受け答えなどに そこはかとなく感じる笑い飯イズムがね〜、なんともツボ。思いっきりやっちゃってください。