Do they know it was chrismas time at all?(その1)

やっぱり書いておきましょう、『M-1』の感想を。たいがいのことは以前の記事の通りなのだけど、まあ一応ね。区切りとして。

M-1グランプリ 2007』(テレビ朝日

意外な結末を迎えた今年の『M-1』。初めての敗者復活戦からのチャンピオン誕生ということで、いろいろな意見もあるようですが、私は誰かに非があったわけではなく、これも戦いの面白さであり、難しさでもあるんじゃないかと思っています。

簡単に1組ずつ振り返ってみましょう。まず、トップバッターの笑い飯。2年前にも1番を引き当て、そのときは見事最終決戦進出を果たしたのだけど、今回は残念ながら5位という結果。変化球に更にみがきがかかったような、ロボットのネタでしたが、この漫才で一番手は不利だったでしょうか。でも、5位という順位は本当に茶の間が黙っていないかも(笑)。6年連続の出場はすばらしいけど、その分期待も高まるのがつらいところだと思います。是非、来年こそ1000万円を手にして欲しいものです。

続くPOISON GIRL BANDは、去年の雪辱を果たすべく、島根と鳥取を見分けるネタで決勝に挑みましたが、ジャッジは思ったようではなかった様子。予選の感想にも書いたけど、今までと違って吉田さんが阿部さんの妙なところを突っ込むスタイルになり、分かりやすくなっていたような気がするんですけどね。とは言え、やはり好みが分かれるのかなと思ったりもします。自分たちがやりたいと思う要素を取り入れるのか、賞レースで勝てる漫才をするのか、せめぎ合いもあるのかもしれませんが、松本人志さんが90点をつけたことは励みになるのでしょう。9位は最下位じゃないよ。

ザブングルは準決勝までは「悔しいです!」をなかなか出さず、最後のオチにもしていませんでしたが、決勝では割りと早い段階で使っていました。いろいろやり方も狙いもあると思いますが、私としてはちょっと残念。「顔芸」と言われることを嫌い、せっかく伝家の宝刀を予選で我慢して戦ってきたのになあ…という気がしました。なんとなくテレビ的になってしまったように見えたのは、2人を見るのは画面を通して、というのが多いからでしょうか?私としては、準決勝あたりのほうが面白かったように思いました。順位は6位です。

4番目は千鳥。去年は準決勝で敗れ、決勝に残れなかった「現実」をまざまざと見せつけられながらの1年を過ごしてきたのだとか。その思いをぶつけたであろう、象の飼育係のネタは私も審査員の方々と同じく、途中が面白かったのになあ…と思いました。3回戦でもこれをやっていたと思うのだけど、あの時も同じオチだったかな?千鳥のアウトローな漫才はとてもクセになるし、大好きなので、POISON GIRL BANDとの「裏M-1とかじゃなく、表のほうで争うときが来て欲しいなと思います。今回は8位でした。

トータルテンボスはラストイヤーに最も優勝に近づきましたが、結果は惜しくも2位。『M-1』後に出演した『ヨシモト無限大』(ファンダンゴTV)では2位と言っても、すぐ引く手あまたになるチャンピオンとの差はかなり大きいと話していました。それを思うと逃した魚は大きかったのかもしれませんが、個人的には、今年のトータルは今までとだいぶ違っていたように思いました。それは全国ツアーでいろんなお客さんを相手にしていることもあるのでしょう。特に1本目の旅館のネタは準決勝で見たときからすごく面白かったです。仕事を続ける上では、『M-1』という明確な目標がなくなった今後のほうが難しいのかもしれないけれど、ますます面白い漫才を見せてほしいなあという気がします。

同じく最終決戦に駒を進めたキングコングは、西野さんのブログも話題になるなど、本番前から注目されていた様子。1本目は洋服屋さんのネタでした。確かに息も合っているし、意気込みも感じられるし、面白いと思うのだけど、少なくとも2回戦からずっとこのネタをやっているんですよね。素朴な疑問なのですが、もしキングコングも予選の漫才がファンダンゴTVで放送されていたとしたら、同じようにしていたのかなあと思ったりもします。逆に同じものを練習しまくってもダレることがなかった、というのはすごいことなのかもしれませんが。順位は3位でした。

ハリセンボンは初出場ながら、笑い飯をおさえて4位。3回戦・準決勝と春菜さんが声を荒げて突っ込むと言うか、はるかさんを制すると言うか、そういう場面があって、「これってどういう風に見るのかなあ」と思っていました。魂のぶつかり合いと見るのか、それともマイナスアイテムになってしまうのか。準決勝では、おそらく良い方向に働いたのだと思います。でも決勝はそのことだけじゃなく、ザブングル同様、ちょっとテレビ的だったような気がしました。大喜利で冴えた答えを出す2人なので、テレビに映るところ以外の面白さも秘めているんじゃないかと思ったりします。また出られると良いですね。

8番目は、「満を持して」という言葉がぴったりのダイアン。今まで悔しい思いをしてきた2人がどんな漫才をするのかとても楽しみでした。謎のスカウトマンのネタは、結局最後まで実像が分からず、それが西沢さんの風貌と相まって面白かったと思いますが、2人の緊張はただ事じゃなかったみたい。でも、初めての出場でほかのコンビと比べるとあまりよく知られていない2人だけど、引けを取るところはまったくなかったと思います。決勝に出て初めて、「またここに来たい」と思ったりするのかもしれません。是非またあの舞台に立ってほしいです。順位は7位でした。

その2に続きます。