フツー上等

私には「この人が出る番組は絶対見たい!」という人が2人います。それは関根勤さんと清水ミチコさん。この2人の目のつけどころがたまらない。『細かすぎて伝わらないモノマネ選手権にも通じるところがありますが、独特の観察力が笑いのツボを刺激するんですね〜。しかし最近、私の中でこのトップ2の座に並びつつある人がいます。嗚呼、その人は友近さん。今日は爆笑問題のバク天!エンタの神様友近ワールドを見せていただきました。

バク天』の方では『出張講師!友近というコーナーがあって、毎回、いろいろな職業を目指す人達のための学校に行き、「その道のプロ」として講義をするわけですが、内容はもちろん友近さんのコント。歌手の専門学校に行った時には、渡辺美里「マイレボリューション・オーケストラバージョン」を歌い上げていたし、他にもスチュワーデスや保育士などの学校で生徒さんたちを煙に巻くような講義を展開。どの場合も一見普通っぽい感じがする人なのに、どこか妙なんですな。で、今回の訪問先は銀座のクラブ。専門学校ではなく、入店前の研修です。しかし、友近さんで銀座のクラブと言えば、そりゃあ意味もなく踊るママが登場する本気のネタもあるほど。新聞のテレビ欄で見た今朝から楽しみにしておりました。そして…やっぱり面白かった。今回は友近さんだけじゃなく、店に来たお客さん役として、神奈月さんがモノマネで登場。もうダメです。勘弁してください。

友近ママは、いろんなお客さんが来たときの対処法として、「お調子者の野球選手(新庄選手)」「気難しい役者(萩原流行さん)」「話が弾まない歌手(井上陽水さん)」が客の3パターンを披露。…もう説明は要らないでしょう。しかも、最後の歌手のお客さんの時には、会話はあきらめてデュエットに持ち込むという方法を教え、『飾りじゃないのよ涙は』を熱唱。神奈月陽水さんはコーラスで参加。もちろん友近さんはママじゃなくて、中森明菜さんになりきってました。バンザーイ!

『エンタ』の方ではスーパーに買い物に行った主婦のネタ。買い物に行き、帰り際にかかってきた近所の奥さんからの特売情報の問い合わせの電話に答えてひとしきり喋り、さて自転車で帰ろうとしたら自転車がない。思い出そうとしても分からない。結局、見つからなくて「バカヤロー!」と叫んだところで、RCサクセション『サントワマミー』が流れて、「映画の『バカヤロー!』と同じじゃん!」というオチなんですが、最後はともかく、全体的には普通のおばちゃんの話。特に奇をてらうわけではないのに面白い。フツーなのにクセがある。「夏休みの絵日記は、旅行みたいな特別なことをしなくても描ける」という言葉を思い出しました(笑)。

お笑いの人の中には、なんかこう、急に変なことを言い出したり、変わった言葉をチョイスしたふりをして「変でしょ〜」というアピール光線を出したりすることがメインになっちゃってる人達もいますが、そんなものはたくさんいらないの。普通の中の微妙なズレが面白いの。もはや「ソーセージに魅入られて日本中でソーセージを売り歩く女性」ですら、その辺にいそうな感じがしています。もっと腹一杯見たい。おかわり、プリーズ。