僕らが旅に出る理由(『キリリン!』ネタバレバージョン)

『キリリン!』ネタバレバージョンです。ネタバレなしのざっくりした感想はこちらへどうぞ。大して役に立ちませんが…。

なるべくまとめて書こうとしましたが、結局全部にちょっとずつ触れているので長いです。ただ、ネタバレとは言え、すべて私の記憶が頼り。メモを取ったわけでもなく、覚えていることを書いてるだけなので、間違いなどありましたら下のコメントとかメールでご指摘下さい。ライブに行けなかった方は、その辺、やさしい目で見ていただけると幸いです。

さて、今回は最初と最後が漫才で、間にコント4本、そしてコントのうち1本はアドリブ合戦でした。

・オープニング

共に楽器を弾きながらご挨拶。2人が立ってるところに上から楽器が下りてくるわけですが、川島さんはギター。そして田村さんは…ピアニカ(笑)。無理矢理弾き語りをしてスタートです。

・漫才1

独り言を直そうというネタ。1人暮らしをしているせいで、つい普段から独り言を言ってしまう川島さん。自分では気づいてないけど人から指摘される、という程度の話だったのが、実はすべての動作を説明してしまうという展開に。これがまた、同じ動作のときは言葉を繰り返すのでうっとおしい。「テレビを見ている僕」「ジュースを持ち上げる僕」といったことから始まり、お風呂に入る時には「お風呂に入る僕」「シャワーを浴びる僕」…そしてどんどんテンションは上がり、「タオル、タオル、せっけん、せっけん…それ、こすれ、こすれ!」の掛け声の下に体をこすり、湯冷めすらも口に出す始末。川島さんのヒートアップぶりが面白かったです。

・コント1

高校球児が審判に文句を言いに行く話。川島さん扮する高校球児は、地区予選決勝で誤審があったことを言いに主審を務めた田村さんの家までおしかけます。でも試合があったのは4日前。ずーっと考え続けてたんだそうです。判定に抗議しますが、スポーツ新聞の写真で誤審ではなかったことが発覚。その後は訳の分からない難癖のオンパレードで、「あなたが着てるパジャマがアウト」「奥行きの幅があるテレビがアウト」なんてことに。挙句の果てには、最後のシーンを再現しろとまで言い出します。高校生活最後の夏に悔いを残しているのかと思い、しぶしぶ付き合う田村審判。しかし、この高校生の野球人生はアウトになってばかりなのだとか。それで「人生全部がアウトみたいに気になるから、宣告する時は“今はアウトでもそれは一瞬のことだけだ”と言え」と言い始めます。結局、彼がまだ高校2年生だったことが分かり、主審は「あと1年あるじゃないか!」と激怒。高校生を追い出すものの、何か感じることがあったのか、その後アウトの時は高校生の指摘どおりにするようになっちゃったのでした。最初の漫才に続いて、川島さんがはじけるネタ。田村さんは翻弄されまくってました。

・コント2

メイドカフェの向こうを張ってできた執事喫茶」が舞台。とある会社の営業マン田村さんは、ちょっと涼むつもりで喫茶店に入りますが、それがなんと執事喫茶。「お坊ちゃま」として迎えられ、川島さん扮する「じい」こと執事が、ポニーに乗っただの何だのとありもしない「お坊ちゃま」のご幼少の思い出を語ります。店は品物も雰囲気もすべてが一流。営業マンはアイスコーヒーを注文しますが、コーヒー豆はたった1杯のために地下にある大きな石臼を大人達が回して引いているのだとか。その扱いたるや奴隷並み。ところが出てきたのはホットコーヒー。それを指摘すると、川島執事が拳銃を取り出し「死んでお詫びを…」。終始、一流なのかうっとおしいのか分からない執事のおもてなしが続きます。お会計を頼むと、この雰囲気と一流品を提供したのにふさわしい金額で、思わず田村さんはトイレで財布の中身を確認。戻ってくると「お坊ちゃまのお戻りです」と派手に出迎えられますが、手持ちが足りない田村さんはもはやお坊ちゃまではありません。結局、川島さんに地下に連れて行かれる羽目になったのでした。

・コント3

アドリブ対決。死んで地獄に落ちた2人の男。天国に行きたいと話していると、芥川龍之介の『蜘蛛の糸』よろしく、糸という名の紐が上から降りてきます。ところが手が届かない。紐をつかむために必要なのは、面白いことを言ってお客さんから良い反応をもらうこと。「す」から始まる冷たいもの(スイス人の人情by川島さん)、とか、「6文字でできる面白いこと」といった大喜利的な問題を互いに出し合います。紐は上がったり下りたりして、問題を出す側も答える側も大変。困った挙句、田村さんからのお題には「川島さんが雑誌に投稿する時のペンネーム」なんてものも。結局、2人は無事紐を手にしておしまい。「早く暗くして」という川島さんの最後の言葉には、大変ぶりやら何やらがうかがえました。

・コント4

2人のニートな若者の話。一緒に住んでる2人は仕事もせず、勉強もせず、手に仕事をつけるでもなく、典型的なニートくん。食べるものもなくて、輪ゴムにしょうゆとかマヨネーズをかけて口に入れるものの、飲み込めるはずもなく、結局水でしのぎます。有り余る時間を不毛なことでつぶし、夢ばかりを語る2人。日本中のニートの人数の多さから、みんなで団結すれば何かできるということになり、政治家になって首相になるなど、壮大な夢を話し出します。バンドを作り、CDを出して大儲けしよう、という話では、田村さんのポエム帳が登場。タイトルは「ポジティブ」。川島さんは曲をつけてやろうと言ったものの、残念ながら大失敗。超赤面の瞬間でした。

・漫才2

発明品で儲けようと言う話でお互いに自分の考えた商品を披露。乗り物の中で寝るときに使える枕や、便利な歯ブラシなど、お互いに似たようなもので競合します。そして話はテレビショッピングのことへ。川島さんが司会で、田村さんが盛り上げ係のゲストの役で番組を再現。最初はわざとらしいリアクションで盛り上げていた田村さんでしたが、川島さんの適当ぶりに冷めてしまいます。すると、そこに田村さんが発明した「くつしタオル」が。再び食いついてきますが、やっぱり川島さんが自分の発明品をひいきしたり、暴走したりする様子にはついていけず…。麒麟らしいネタという感じでした。

他にコントや漫才の間にVTRが流れましたが、DVD『キリン!キリン!キリン!』をご覧の皆さんならよくご存知の「嵯峨野川島流」が再登場。今回も塾生が濃い…。家元の迷いのなさもパワーアップしてました。さらっと下ネタ?みたいなのもありましたが、ま、それもOK。他にはいろいろなシチュエーションで田村さんをかっこ良く見せようとする企画、そして、こちらも『キリン!キリン!キリン!』の「魔の契約」でお馴染みの死神さんが「しにちゃん」として商店街を探索するコーナーも飛び出しました。ベタな地方局ノリの商店街紹介で、しょうもないギャグを飛ばして自分で突っ込む姿にはますだおかだのおかださんを連想してしまったんですが(笑)。

全体的な感想としては、次に期待をしたくなるライブでした。コントは骨組みだけの段階で走り出しちゃった感がありましたが、東京がツアーの初日なので、もう少し時間がたったらどう変わるかすごく興味あります。ひいき目に考えてるから、というより、話のアイデアは面白いと思ったので。今回やったものが整理されたり、こなれたりしたらもっと良いはず。最後の漫才は麒麟らしくて、すごく面白かったです。おかげでうまい具合に全体がまとまりました。

というわけで、座り方に悩まされながらも楽しませてもらった『キリリン』。きっとDVDになるよね〜。副音声も含めて期待しています。