足並み乱して 巻き込んで

もう10月も残り1週間あまり。まだ一度も見てない新番組もありますが、今回は虎の門 しりとり竜王戦たけしの誰でもピカソ、と以前から続く番組の感想です。

虎の門 しりとり竜王戦』(テレビ朝日

恒例「しりとり竜王戦」ですが、今回は森三中・大島さんが健闘。始まる前は緊張のあまり声も出ない、という状態でしたが、「せつない言葉」のお題で秘めたる底力が一気に炸裂。「一瞬で好きになったが、箸の持ち方で冷めた」「ルミちゃんの子だがあたしの子でもある」「たまに殴られるのだが、嫌いになれない」「助けてと叫んだのだが、男の力にはかなわない」と不幸な恋愛をした女の言葉を繰り出して他の出場者を惑わせ、準決勝に進出しました。一方、大島さんの影響を最も被っていたのが、次長課長・河本さん。期待されていたものの、大島さんにすっかりやられて「一生会わないって誓ったのだが、愛には勝てない」と、モロにダメージを食らった言葉も飛び出し、なんと予選最下位で敗退しました。

準決勝の大島さんの相手は、お馴染み板尾創路 永世竜王「うさんくさい言葉」のお題で、「イライラする時はこのサプリメントを飲んでください」など、今度はあやしいマルチ商法のセールスキャラで挑んだ大島さんでしたが、板尾さんのマイペースな戦いぶりにはやはり歯が立たず。マイペース過ぎて、時間切れになる場面もあった板尾さんでしたが(笑)、それでも順当に準決勝を勝ち抜き、見事決勝に進出しました。

決勝の顔合わせは板尾永世竜王よゐこ・有野七段。残るべくして残った2人に与えられたお題は「場が盛り上がる言葉」「よ、家族!」「え、ネイティブアメリカン来た!」と、間投詞で攻める戦略を交えた板尾さんが第11回のチャンピオンに輝きました。

今回は、なぜか虎舞竜の(という言い方を今もするんだろーか?)高橋ジョージさんも出場。最近は奥さんの三船美佳さんと一緒にバラエティー番組にもたびたび出演し、別の番組では自分が書いた台本でコントをやりたいと言うなど、お笑いにはかなり興味があるようですが、何だかビミョー。得意の内田裕也さんのモノマネを交えた答えも出してたけど、回答自体ももうひとつだったのですべり具合も倍増気味だったし、番組最後の「サングラスを外すのを忘れるほど(の緊張)でしたから」というコメントも、何とか挽回しようとした感が見られるものの、やはり不発(苦笑)。ものすごい緊張感の下、真剣に笑わせようと考える「しりとり竜王戦」は、やっぱりお笑いの基礎体力が重要。素人がうかつに手出ししたら、ケガするぜい。

たけしの誰でもピカソ』(テレビ東京

今回はお笑い居酒屋スピードワゴン南海キャンディーズ神奈月さん〆さばが出演しました。以前の「お笑い居酒屋」はネタ中心であまりトークの時間がなかったのですが、いつしかトークにかなりの時間を割くようになり、その他に若手の注目株を紹介する「本日のおすすめ」というコーナーができていました。

ネタの方は、スピードワゴンが例によって「甘い言葉」。結婚しても「モテたい」と言い続けるんですね。もうこのパターン以外は やらないのかな?いろいろニーズに合わせなくちゃいけないんだろうとは思うけど。南海キャンディーズ立てこもり犯を説得するネタしずちゃんに「かわいい」という声援が飛ぶのは、狙いと違ってやりにくくないのかなあ?しずちゃんを「キモい女」扱いする突っ込みは、以前ほどの威力がないかも。神奈月さんは新庄選手で登場し、井上陽水さん、萩原流行さん、長州力さんと得意なネタのオンパレード。そして、〆さば安普請の家の話から韓流ブームの話というネタでした。

私が一番面白かったのは〆さば。「さば」にふさわしく、銀色のギラギラしたスーツで登場しましたが、漫才は正統派。壁の薄い家に住んでいるので、隣の家でテレビのリモコンを使うとうちのチャンネルも変わるとか、韓流ブームに乗って習った韓国語がつい出てしまって「左折セヨ〜」と言ったとか、目新しさはないし、スーツ以外は地味なんだけど(笑)、安心して見られる感じが良かったです。それと神奈月さんはいつものネタなのに、何度見ても飽きないなあ。やっぱりキャリアが成せる業なんでしょうかね。ちなみに、神奈月さんはだいぶ前にお亡くなりになった、モノマネの佐々木つとむさんのお弟子さんだったんだそうです。

新コーナー「本日のおすすめ」で登場したのは、パッション屋良さんと瞬間メタルレッドキングの3組。最初の2組は『お笑い登竜門』(フジテレビ)でもお馴染みで、コーナーの感じはさながら笑いの金メダル』(テレビ朝日)の「ワンミニッツショー」。あれ?偶然?最後のレッドキングはこの間、『M-1グランプリ』1回戦でも見ましたが、3人グループで全員ふんどし1枚というキワモノな人たち。ネタは面白いんですけどね。

トークの時間が長くなったり、他の番組と似たようなことを始めたりしたせいか、今回の「お笑い居酒屋」は正直、いまひとつな感じ。たまたまゲストが少なかったからちょっと違う雰囲気になったのかもしれませんが、私は今までの独自目線のやり方のほうが好みです。