漫才師ストラット

先週から今週にかけて、お笑いに魅入られたかのようにライブを見まくっています。おかげで、落ち着いてブログを書く時間もないのですが、どれだけ見てもやっぱりライブは楽しいです。

テレビでは編集があるせいで生では今ひとつだとしても良いようになっていたり、時間の都合でいつものネタが短いバージョンになっていたりして、芸人さんを知るきっかけにはなるけれど、ネタを楽しむところまでは行き着かないことがあります。ライブでは、セリフを噛んでしまったり、客席から思わぬ子供の声が聞こえたりといろいろなハプニングもありますが、テレビでは分からない「息遣い」のようなものが感じられる気がします。

芸人さんたちの声の大きさも生で見なければ分からないことだし、迫力や気合をダイレクトに感じられるのもライブの良さであり、楽しみでもあります。実は昨日、大阪の『M-1グランプリ』3回戦を見てきたのですが、何と言うか、「M-1に賭ける気合を感じる漫才を見てしまったなあ…」という感じ。東京でも1回戦から見ていますが、全部見たわけじゃないので、大阪と力の差があるかどうかは分かりませんし、もちろん東京でも面白い漫才をたくさん見ました。ただ、私が見た限りでは、昨日出演した芸人さんたちの方が東京で見た人たちよりも「漫才師」という肩書きがしっくりくるような気がしました。そこには環境の違いもあるでしょうし、目指すものやスタイルの差もあるんだろうと思います。細かいことは分からないし、裏づけもないけれど、個人的な印象としては「お笑い」ではなく、「漫才」で頑張ろうという芸人さんたちを多く見た気がしました。

特に見に来て良かったなあと思ったのは千鳥。幕末の武士になって遊ぶ「幕末ごっこという、一見去年の『M-1グランプリ』決勝でやった「中世のヨーロッパ」ネタにも似たようなイメージのテーマですが、内容はノブさんの役回りがキモ。例によって大悟さんにおかしな役を振られるのだけれど、これがバカでデブの武士の役。全力でやればやるほど面白くて、出場43組中42番目の出演ながら、見ているお客さんにも大受けでした。何となく、同じbaseよしもと笑い飯麒麟に少し遅れを取った感のあった千鳥でしたが、なぜだか昨日のネタを見たらうれしくなってしまいました。

それから、麒麟は以前からやっている、田村さんがファッションモデルになるファッションショーのネタでしたが、こちらは内容に手が加えられてだいぶ印象が変わっていました。前に見た時には、川島さんがモデルの田村さんを紹介して、最後に川島さんがモデルになるというパターンでしたが、昨日は川島さんが紹介のMC役で田村さんはモデル役で固定。変な紹介に田村さんが乗せられるパターンだったのも、川島さんがなぜか途中からすべてをかなぐり捨てたかのような勢い余るMCに変貌し、更に田村さんまでもがつられて勢いをつけ、2人とも「あふれでる勢い〜!」と叫びまくる形に変わっていました。そういえば、去年の『M-1グランプリ』の「癒しの空間」も川島さんがしゃべるだけじゃなく、急に田村さんと相撲を取り出す意外な展開が面白かったもんなあ…と思ったりした内容でした。ちなみに、笑い飯の昨日のネタは「ガムの妖精」。いい大人がガムを吐き捨てる人を注意する「ガムの妖精」になる話ですが、何度見ても面白いですね。バカバカしさでは「ハッピーバースデー」の歌を歌うネタも捨てがたいけど。

というわけで、今日はルミネtheよしもと『base Next 5×3 Vol.2』を見てきます。初めて見るジャンクションが楽しみ。ジャンクションは今日が『M-1グランプリ』の3回戦ですが、是非吉報を持って東京に来てもらいたいものです。