笑わせたいの

業務用やら私用やらでビデオテープがあふれ返っていましたが、やっと整理を始めました。ここで書こうと思っていたのにビデオが見つからなくて書けずにいた、タカアンドトシがらみの番組を2つ。

やりすぎコージー』(テレビ東京

11月26日に放送された「やりすぎthe鉄板ショー」は、すべり知らずのネタ、いわゆる「鉄板ネタ」を検証するという内容。タカアンドトシ中川家メッセンジャーが自信のネタを披露し、大木こだまひびき師匠がどれが一番「鉄板」かを審査しました。

タカアンドトシの鉄板ネタは「同級生」。ネタを披露する前に、まずどの辺りが受ける部分なのかを芸人さん自ら解説します。このネタのポイントは、トシさんの「欧米か!」のツッコミ。序盤からタカさんの欧米人のような振る舞いに対し、怒涛の「欧米か!」15連発が炸裂します。ハグするタカさんに「欧米か!」、「太ると出世できない」という嘆きに「欧米か!」、鶏肉のことを「チキン」と言ったのに弱虫の意味と勘違いして切れたタカさんに「欧米か!」…。ここは大爆笑が取れる「大鉄板」とまではいかないまでも、必ず笑いが取れる「小鉄板」な部分。その後、「でも同級生と会うとしたら、同窓会ですよね〜」というトシさんに対し、タカさんがなぜか「欧米か!」と突っ込みます。この意表をつくパターンは絶対に爆笑につながる、鉄板ネタの中の最も大鉄板なところ。そしてしばらく「欧米か!」から離れるのですが、終盤、学生時代に埋めたタイムカプセルのくだりで、中からサッカーボールを見つけたトシさんに、タカさんが「南米か!」。これも大鉄板です。ネタはここで終わりにせず、少し余韻を楽しんだところでおしまい。…と説明したところで、今度はネタの流れを知らないお客さんを前にして漫才をし、鉄板のところで本当に笑いが起こるのかを調べました。すると、お客さんたちはタカアンドトシ狙い通りに爆笑。テレビの前の私もまた爆笑。見事、鉄板ネタと認定されました。

続く中川家は漫才ではなくコント。賞レースなど、ここ一番という時にやる「予備校」のネタです。このコントのポイントは礼二さんの脱線ぶり。マニアックモノマネよろしく、どこかにいそうなクセのある先生が登場し、力技で笑わせます。特に鉄板なのは、三角形を使った問題を説明しているはずなのに、三角形がJR埼京線の路線図に変わり、更には別の路線に乗り入れたり、連絡したり…と鉄道の話に変わっていく部分。「埼京線の渋谷駅は他の路線の渋谷駅から離れてる」とか、「モノレールの料金は高い」など、もう数学とは無縁の話になり、図の説明も黒板をはみ出して教壇の机に書き出すようになり…ともう完全に収拾がつかないんだけど、この妙なパワーが爆笑を呼び、鉄板ネタと認められました。

最後のメッセンジャー「大阪のおばちゃん」ネタ。現在はなるトモ!のおかげで、関西地区以外でも毎週お顔が見られる黒田さんとあいはらさんですが、アウェイな場所での漫才はネタに関係なく深々と5秒間頭を下げ、こびへつらってから(笑)始めるのだそう。そして漫才ですが、つかみの「右むいても左向いてもおばちゃん、たまにおっさんかなあと思ったら、やっぱりおばちゃん」小鉄板。次の台風で入場者ゼロの会場で、お客さんの代わりに音に反応するおもちゃのフラワーロックを3つ置いて漫才をさせられた話は、最初の大鉄板ポイントです。そして本題の大阪のおばちゃんの話に入りますが、女子高生との対比をしながらおばちゃんたちの強引さを面白おかしくネタにします。黒田さんが同じ電車に乗ってきた3人のおばちゃんに巻き込まれていく くだりは まさに大鉄板でした。

結局、こだまひびき師匠がNo.1としたのはメッセンジャー。緊張感のうかがえる漫才でしたが、「黒田さんの芸人根性が感じられる」ところが評価されました。そして最後には、もちろん、こだまひびき師匠もネタを披露。今、まさに鉄板と言える「チッチキチー」を織り交ぜた漫才をしていました。

この企画はネタの検証なので、普段漫才やコントを見るときとは違って手放しで笑えるというより、4コマ漫画のオチを説明されているような、ちょっと微妙な感じ。でも、芸人さんの思惑通りにお客さんが笑う様子は、視聴者にとっても痛快でした。先月の雑誌マンスリーよしもとの特集「漫才を讃える」では、この日の出演者のメッセンジャーなどが漫才への思いや生みの苦しみなどについてシリアスに話していましたが、それとはまた違った形で「漫才の舞台裏」が見られて興味深かったです。第2弾希望。

『お笑い登竜門ガッハ』(フジテレビ721

こちらはタカアンドトシがフィーチャー芸人だった前回の『お笑い登竜門ガッハ』。2本ネタをしましたが、うち1本が鉄板ネタの「同級生」でした。こちらの方がネタ時間が長かったのか、トシさんをミウラ」(“ミ”にアクセントがつく“ランボルギーニミウラ”みたいな言い方)と呼んだり、タカさんが自分で自分に「欧米か!」と突っ込んだりする場面も入っていました。『やりすぎコージー』の時より素直に笑えた感じ(苦笑)。でも何度見ても面白いです、やっぱり。

タカアンドトシ以外にも何組か出演したのですが、その中の1組、島田夫妻は今年のM-1グランプリで3回戦まで進んだコンビ。実はこの2人は本当のご夫婦でオペラ歌手なのです。だから、途中に歌や踊りを交えてネタをするのですが、これを漫才やコントと呼べるかどうかは正直ビミョー。芸人さんが出演するテレビや舞台で見せられると「そうなのかな?」と思うし、マイペースの奥さんに旦那さんがカンツォーネっ!」と突っ込むのも面白い気がするけど…う〜ん、コミカルなミュージカルという感じではあるんだけど…。M-1で見た時は急造コンビかと思いましたが、どうやら違うみたいなので、新しい形のお笑い芸人さんとして頑張ってほしいですね。

それからマッハ登竜門のコーナーには、永井佑一郎さんが「♪パンパンスパパン」の「バカテンポ」のネタでちょっとだけ登場。『プリプリプリンス』が終わってなかなか見られなくなったけど、なんかクセになるネタです。

最後はタカアンドトシのPVで終了。第1回の麒麟の時から思ってるんですが、これってどこを目指してるんでしょうか(苦笑)?試みは面白いと思うのですが、いろんな要素を盛り込み過ぎのような気がします。25日まで放送の#5では千鳥がPVを作ったのですが、これはPVと呼べるのかどうか…(笑)。だってノブさんが、とてつもない女装をさせられてるんだもん。第1回から比べて番組自体も微調整もされているようなので、今後に期待します。

※追記※

タカアンドトシが『お笑いLIVE10!』に出演した時のネタについてここでチラッと触れています。