悩める人よ すべてはつながって

本日2本目。1本目はコチラ。たまにはタイムリーなことを。

R-1ぐらんぷり』(フジテレビ)

R-1ぐらんぷり』決勝を見ました。ご存知のように、優勝は博多華丸・大吉の華丸さん。『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ)の「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権で一躍注目された児玉清さんのネタで500万円を獲得しました。おめでとうございます!では出演順に感想を書いてみたいと思います。

トップバッターの友近さんは、以前お笑いLIVE10!』などでもやっていた体操部のネタ。途中のジュースを買いに行く人を決めるジャンケンの掛け声が「リボン・こん棒・フラフープ」で、あいこの時に「プ・プ…」と言い続けるところは初めて聞いたので結構ツボでした。私は友近さんのネタは無条件に好きなんですが、審査員のダンカンさんも言っていたように、審査する側には難しい芸人さんかもしれないですね。ご本人は「自分の中ではキャッチーなネタ」と言ってたけど。順位は去年より振るわず6位でした。

2番目はバカリズムさん。2回戦でもやっていた、フリップを使うネタ「トツギーノ」でした。やっぱり面白い〜。あの畳み掛けがねぇ〜、もう手放しで面白いです。ジョルジーニョが誰でもいいや(苦笑)。素朴なタッチの絵もいいですね。審査員にも好評だったようで、5位とは僅差でしたが4位でした。今度「カエリーノ」も見てみたいな。とりあえず、コンビ時代のDVDをチェックしてみます。

続いては中山功太さん。「チェケラー」のDJモンブランネタで、今回は32歳のOLの話でした。どこにでもいそうなイラつくOLのセリフにツッコミを入れるいつものスタイルですが、ケータイをいじりながらこのOLが「ただの男前と結婚してもしゃあないもんな」と言った後、話の内容ではなく、「新着Eメールはありません」と動きの方に突っ込んできたのは面白かったなあ。こういう意表をつくツッコミがもっとあれば点数が伸びたでしょうか?こちらは去年と同じ順位の7位でした。

その次が、二重エントリーやら何やらで波紋を呼んだキャプテン☆ボンバーさん。2回戦で落ちた、友人でボンバーさんにソックリのなかやまきんに君の写真を背に「ボンバー!」と叫びながらのあるあるネタでした。決して嫌いじゃないです、この感じは。でも、アメリカの文化を伝えに来たはずなのに、2つ目で「ホラー映画で最初の方にいちゃつくカップル、すぐに死ぬ、ボンバー!」…これはホラー映画あるあるでは?その後も勢い一発で、やはりというか何というか、結果は最下位でした。

5番目に登場したのが あべこうじさん。ウィンナーをフライパンで蒸し焼きにしようとしたらふたが開かなくなったという話から、バイクで出かけたときの話へ。体を縮めてギュっとした、と言ったところで「ギュッと肉汁が詰まったウィンナーが…」と再びウィンナーの話。次は電車の中でのエピソードを語るんだけど、自分のひざの上に乗せられた隣の人の荷物をよけるジェスチャーがフライパンのふたを開ける動きと同じで、もう一度ウィンナーの話に戻り…とウィンナーのエピソードが何度も繰り返し出てくる漫談でした。あべさんのネタはルミネtheよしもとでも何度か見たけど、今までで一番面白かったです。順位は惜しくも2位。でも来年も出場するそうです。

その後の浅越ゴエさんは第2回の優勝者。ネタは「しっくりこないニュース」でした。浅越キャスターが、パンダのベンベンとトントンの間に生まれたベトベトちゃんとか、セクシーな女性のせいで渋滞しているという交通情報とか、雨が降ることを「空が泣いてしまうでしょう、オーイェイ」とキザな天気予報なんかをしれっと伝えるのは面白いし、文句のつけどころもない感じ。順位も3位と健闘しましたが、2度目の優勝には届きませんでした。また『なるトモ!』で楽しませてください。

7番目は どきどきキャンプ岸学さん。生徒のいじめに遭っている先生という設定のコントでした。授業参観に先生のお母さんが来たり、ペディキュアを塗られたりとかなりの嫌がらせをされているのですが、一番面白かったのは「先生の原付が200キロ出ました…すごい改造をしたヤツは誰だ!」。…コンビニを通り過ぎたそうです。岸さんのルックスと相まって、思わず爆笑しました。順位はバカリズムさんに次ぐ5位でしたが、出場者の中で唯一、1度もネタを見たことがなかったせいか、私としてはかなり面白かったです。

そして最後が博多華丸さん。児玉さんのモノマネをどんな風にやるのかと思ったら、ただ真似るのではなく、児玉さんを研究する人としてご登場。こういうやり方もあるんですねぇ。最後の『アタックNo.1』の主題歌に児玉さんが合いの手を入れる、「♪だけど涙が出ちゃう」「問題です。なぜ涙が出たんでしょう?」「♪女の子だもん」のくだりはお見事。『みなさんのおかげでした』でもやっていた「あいうえお作文」も取り入れていたけど、見せ方が違うと新鮮に見られる感じがしました。でも、もしかしたら、もっと博多弁を使っていくはずだったんでしょうか?途中から結構博多弁が出てきたように思いましたが。ともあれ、長年やってきた児玉さんのモノマネで「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」だけでなく、R-1でもチャンピオンに輝いちゃいました。

華丸さんの優勝理由について審査員の伊東四朗さんは、「テレビはお年寄りも見ているから、一番分かりやすい芸として選ばれたのではないか」とおっしゃっていました。この言葉は2つの意味に取れる気がします。1つは うがった見方になりますが、「万人向けが良しとされる」という意味。逆に言えば、一風変わったネタや独特の芸では優勝は望めないという保守的な考えです。でも、私は伊東さんが言ったのはそういう意味ではなく、「自分が面白いと思って気分良くやるだけでなく、見ている人たちにその面白さが伝わる芸」ということだったんじゃないかと思います。スタイルがそれほど変わっていなかったとしても、例えば、岸さんのネタの中でテレビ東京の番組が出てきたあたりは、お年寄りでなくともその番組が放送されていない地域の人にはピンと来ないところ。これは細かいことですが、他にも予選を見るとスベリ芸でもないし、何が面白いのかさっぱり…という人はいます。ただ斬新と言うだけでは何も伝わってこない。自分が面白いと思ったことをお客さんに伝えられてこそ、高い評価も受けられるのだと思います。

何もかもを自分だけで引き受けて続けていくのは大変だけど、観客の1人としては また面白いネタを見せてほしいし、来年は普段からピン芸人として活動している人たちに奮起してほしいなあと思います。

※追記※

東京2回戦・2日目の感想はコチラ⇒ http://paola.cocolog-nifty.com/folder/2006/02/post_9e88.html