好き好きシャーツ

1つ前の記事でも書いたとおり、私はアニメとか漫画は ほとんどノーマーク。さらにかわいらしいものにも特にそそられない冷血漢なわけですが(苦笑)、そんな私を「萌え〜っ!」と叫ばせるものが1つだけあります。というわけで、先日見た映画『ウォレスとグルミット』について。

ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ』

ウォレスとグルミット』シリーズはおそらくたくさんの方々がご存知だと思いますが、簡単に説明しておくと、これはクレイアニメといって粘土の人形を少しずつ動かして撮影する、という手法を使った作品。今までには『チーズホリデー』『ペンギンに気をつけろ!』ウォレスとグルミット、危機一髪!』の3本が短編映画として作られていて、他にもウォレスとグルミットのおすすめ生活』という短編集が出ています。ちなみに、5年ぐらい前に公開されたチキンランも、『ウォレスとグルミット』シリーズを手がけるアードマン・アニメーションズの作品です。

さて、主役のウォレスとグルミットは平たく言えば飼い主とペットの犬。でも、その力関係はかなり微妙です。飼い主のウォレスは いろいろなものを発明するんだけど、詰めが甘いことがしばしば。そこで登場するのが犬のグルミット。言葉こそ話さないけど、持ち前の器用さと機転でウォレスのピンチを救います。

今回の『野菜畑で大ピンチ』は『ウォレスとグルミット』シリーズ初の長編映画。でも素朴さは今までと変わらず、さらに1人と1匹の関係もいつものとおりでした。まだ上映中なのでストーリーはあらすじだけにとどめておきますが、映画は年に1度のお祭り「巨大野菜コンテスト」を前にした町が舞台。人々はこの日のために、丹精こめて巨大な野菜を作るのだけど、そこに畑を荒らすウサギが大発生。ウォレスとグルミットはウサギたちを殺さずに駆除する「アンチ・ペスト」として活躍しますが、ある晩、町中の野菜が食い荒らされてしまいます。実はその犯人はとてつもない化け物。さて、その正体は?というのが『野菜畑で大ピンチ』のお話です。

公開前に開催されたイベントウォレスとグルミットの世界展」で、映画のメイキングや声優さんたちのインタビュー映像を見たけど、それによると『野菜畑で大ピンチ』は『チキンラン』の反省をふまえて作られたのだそう。『チキンラン』に登場したニワトリたちは表面をなめらかにし、完璧に作りすぎたせいで、クレイアニメの良さが出せなかったのだとか。逆に今回は、人形に触った人の指紋の跡が見えるようにし、それによってリアルさや手作り感をだそうとしたんだそうです。確かに『野菜畑で大ピンチ』は『チキンラン』より素朴で、温かみがあったような気がします。

今の仕事のおかげで『チキンラン』とは濃密なお付き合い(笑)をさせていただいたから、あの作品も大好きだけど、今回の『野菜畑で大ピンチ』は見事にアードマンの意図にハマり、より以上に「萌え〜っ!」なツボを刺激されてしまいました。でも、本当は能書きなんてどうでもいいの。とにかく粘土の彼らがかわいいのっ!グルミットの目の表情なんて たまらんですっ!ええい、グッズも大人買いじゃあ〜っ!…と思わず理性を失いそうになりましたが(苦笑)、不完全だからこそラブリーな『ウォレスとグルミット』ワールド、未体験の方も是非足を踏み入れてみてくださいませ。作り手のオタク魂も炸裂しまくりですのよん。