Ready, steady, cook!

予告どおりの時系列無視攻撃。芸人さんが料理の腕を披露した番組が続いたので、私もグルメレポート?に挑戦です。というわけで、『やりすぎコージー』と『第1回 キムミシュラン吉本芸人おうち料理王』について。

やりすぎコージー』(テレビ東京

今回は「やりすぎ爆笑レストラン」(10月の第2弾はコチラ)。芸人さんたちが得意の料理を作るだけでなく、これをファミレスやコンビニでも商品として売り出せるといいなあ〜、という野望を含んだ堂々の料理企画でございます。自慢の腕を振るった芸人さんは、アホマイルド・高橋さん、占い師としても有名な小笠原まさやさん、「擬音師匠」こと宮川大輔さん、そしてメッセンジャーの黒田さん。この4人の料理を判定するのが、木村祐一さんです。評価は木村さんの義理のお父さんにちなみ、「星」ではなく「星のフラメンコ」(苦笑)の数で行われ、3つが満点です。

最初に登場したのは、高橋さんと小笠原さん。どちらも料理とは無縁の風貌ですが、高橋さんの方は相方の坂本さんが応援団として登場。「料理もすごいんですが、太鼓のチューニングがすばらしいんです」と、現れた坂本さんの小さな太鼓に千原靖史さんが触ると、「おいっ!チューニングが狂っちゃうよ!」。靖史さんの目の前で高橋さんが飛び上がり、坂本さんが「シーソーだったら、ガーンと上行ってましたよ」。…アホマイルドのお約束ですね。さらに「エビちゃんだったら振られてましたよ」バージョンもやって、ギャグタイムは つつがなく終了(笑)。そんな高橋さんは、芸人さんになる前に中華料理店で働いていたそうで、この日は「黄金チャーハン」で挑戦。そして、小笠原さんの方はアフリカ料理の「チンチンカー」で勝負します。

「黄金チャーハン」はチャーシュー、しいたけ、えび、長ネギなどに「黄金」の所以(ゆえん)となる卵を加えたオーソドックスなチャーハン。さすが中華料理店で働いていただけあって手際もよく、味は出演者にも好評でした。でも水分がイマイチ飛んでなかったため、木村さんの評価は星のフラメンコ2つ。最後の日本酒は やっぱ鉄則よね。

小笠原さんのチンチンカーは、鶏肉やたまねぎ、オクラなどの野菜をトマトで煮込んだもの。隠し味のしょうががポイントです。作っている途中には「食材占い」として、出演者のラッキー食材も発表していましたが、運気を上げる食材を「貝類」と言われた木村さんは今回の料理に貝類が入ってないことにぶち切れ(苦笑)。チンチンカーは「恋の運気を上げる食材」のトマトが使われていました。誰か1人じゃなくて、みんなの幸せを願った料理…ということ?そんなわけで、どうも作っている最中から不評を買っていた小笠原さんでしたが、実際のお味の評価はフラメンコ2つ。むしろ黄金チャーハンよりおいしかったみたいです。

続いて登場したのが大輔さんと黒田さん。大輔さんはロシア料理店の厨房で働いていたことがあり、黒田さんの方は以前から料理上手として知られる芸人さん。これは期待が高まります。

黒田さんが作るのは、「タラとタラコの親子丼」「家庭でもできる和え物」、大輔さんは湯葉の揚げ春巻」「蒸し豚ワサビソースがけ」。「料理が得意とは意外」と言われた大輔さんは、蒸し鍋をあけてメガネを曇らせ、さらに湯葉の戻し方を木村さんに尋ね、といきなり前途多難(苦笑)。対する黒田さんは、手際よく準備を進め、さらに「包丁がよく切れないときは陶器の裏で研ぐ」とか「焼き網に酢を塗ると焦げ付きにくくなる」という裏技まで披露しちゃいます。

そんな大余裕の黒田さんが作る変わり親子丼は、あぶったタラを酒・しょうゆ・みりんを合わせたタレにつけ、ほぐしたタラコと卵黄、長ネギを混ぜ合わせたものと一緒にご飯にのせるという簡単料理。さらに、いろどりとして刻んだ大葉と食用菊を添えます。ところが、タラコなどを混ぜ合わせるボールが予想外に小さく、さすがの黒田さんも悪戦苦闘。「(スタッフが)慣れてないねん」と言うMCの東野幸治さんに「それやったら呼んでもうたら困りますわ」。さらに焼き網も小さくて、東野さんが同じように言い訳すると、「それやったらこっちの気持ちも考えてもらわんと」と一刀両断。さらに「それ(言い訳)は通りません」とピシャリとはねつけ、雰囲気は一流です(笑)。でも料理は文句を言うに十分なものだったらしく、あの木村さんも大絶賛。そしてこの親子丼と並んで木村さんをうならせたのが「家庭でもできる和え物」でした。放送直後、かなりの方が検索していたようなので、今さらながら作り方を書いておきます。

「家庭でもできる和え物」                     1.ふきんなどで豆腐の水分を切る。                 2.春菊をゆでる。                             3.マヨネーズとキューピーイタリアンドレッシングを1:2の割合で混ぜ、粉チーズとオリーブオイルを少々加える。           4.2を細かく切り、1と3と共に混ぜ合わせる。

これが簡単でおいしいらしいです。もちろん、フラメンコは3つ。ああ、これは食べたい。作り方のシンプルさやアイデアも含めて、木村さんが手放しで大絶賛するんだもの。マズいわけがないわよねぇ…。

さて、一方の大輔さんは最後の最後まで苦戦湯葉でまいた春巻を揚げたはいいけど、油がはねまくり(笑)。形もところどころが膨らんでブサイクになり、千原ジュニアさんには「産業廃棄物」呼ばわりされる始末。結局、見るに見かねた木村さんが「巻き方が悪い」と同じ材料で作ると…油で揚げても大丈夫でした。で、何とか試食までたどりつきましたが、「蒸し豚ワサビソースがけ」は味はいいけど肉が硬いと言われ、「湯葉の揚げ春巻」は「蒸し豚」のワサビソースをつけるとおいしいと味を変えられ…。結局、評価は1フラメンコ。「もう1回チャレンジさせてもらえないですかね」と言う大輔さんに、ジュニアさんは「結構です」(苦笑)。作る過程からして、なかなかワイルドな料理でございました。

番組では今後も芸人さんのオリジナルメニューを募集するそうなので、第2弾も期待できそう。しかし、これを夜中のオンタイムで見せられたら、寝る前におなかがすくこと間違いなしでしょうな…。

『第1回 キムミシュラン吉本芸人おうち料理王』(GAORA

こちらはMBSで3月に放送された番組。『やりすぎコージー』同様、芸人さんが得意料理を作るんですが、この番組ではスタジオではなく、それぞれの自宅のキッチンで腕を振るってもらいます

出演したのは、桂きん枝さん、末成由美さん、トミーズ・雅さん、チュートリアル・福田さん。料理のレシピは公式サイトに出ているのですが、私が一番心を引かれたのは、なぜかここに出てない福田さんの「福田スープ」。ごま油とにんにくで牛肉を炒め、さらにキムチとワカメも加えて炒めて水を足し、さらに固形だしの素を入れるというシンプルなものでしたが、これがかなりうまそう。何よりいいのは簡単なことですね。他の方々は鍋とか鯛1匹を丸ごととか、大人数じゃないと食べられない料理ばかりだったけど、これなら自分でも試せるな〜と思っちゃいました。さすがは『料理大学』(スカイA)を愛する福田さん。でも『世界の料理ショー』を知らなかったのは残念だったね、スティーブ。

というわけで、皆さんお見それいたしました。気が向いたらやります派の私としては、まさに舌を巻くばかりですわ〜。思わず「もうて〜」と往年のギャグも出てしまいそうになるのでした。