Pray like Aretha Franklin

そんな日が来たらいいなあとは思っていたけど、本当にその日が来るとは…。ついに!生でスクリッティポリッティを見てしまいました(感涙)。というわけで、長い間待ちわびたライブの感想を。

『スクリッティポリッティ』(渋谷クラブクアトロ

物事の善し悪しを「思考」より「感覚」で判断する方がクールだったあの頃、彼らの音楽は私にとって「気持ちいい」ものでした。ラジオから流れてきた『Hypnotize』は衝撃的で、まさに目からウロコが落ちる勢い。今でも心のベスト10 第1位になることが多々あります。

スクリッティポリッティの音楽は一言では言い表せないけど、1つのジャンルにとどまることなく、いろいろな要素を取り入れている、とでもいいましょうか。ソウルフルな一面もあれば、テクノな部分もあり、最近ではラップもあり…と予想は裏切るけど、期待は裏切らないのがスクリッティポリッティ。そしてボーカルで今や唯一のオリジナルメンバーである、グリーン・ガートサイド(というか、グリーンだけのバンドになってしまった)のちょっと鼻にかかったような透明な声は一度聞いたらヤミツキ。あの声が気持ちよさを増幅させるのでしょう、たぶん。

そんな風に長年蓄積されたいろんな思いを持ってクアトロへと向かったわけですが、今日のライブで聴けた昔の曲は『Wood Beez』『Sweetest Girl』だけ。全体としては最近のアルバムの曲がメインでした。ライブ全体の時間も、アンコールまで含めて1時間ちょっと。長い間待っていたファンとしてはちょっと物足りない感は否めなかったし、何より昔の曲をもう少しやって欲しかったなあ…というのが正直な感想でした。でも、ライブの後、1人でインドカレーを食べてるうちに「こういうライブでよかったのかもなあ」と。今でもぽつぽつとではあるけど、新しいアルバムを出して活動をしてるんだから、過去にすがるところじゃなく、今を見せてもらえたのは喜ぶべきことだと。周りがどう見ようと、どう思おうと、本人は進んでいっているのだからね。それに、ローディの人にあれこれやってもらうときに「イギリスの政治について話してたんだ」と言ってみたり、「ライブでやるのは今日が初めてだから…間違うかも」と話すキュートなグリーンも見られたしね。見た目はだいぶそうじゃない方面に変わってしまったけど(苦笑)。

帰り際、もう一度会場が入っているクアトロの前を通ったら、なんとグリーンを始めとするバンドのメンバーがサインやおしゃべりに応じているじゃありませんか!しかし、こういうときに限ってサインしてもらえるようなものを何も持っていない私…。それさえあれば、今までの多少の思いを伝えられたかもしれないのにな〜。でもいいや。きっとまたいつか、彼らの演奏を見るときが来るでしょうから。サマーソニックに行く方々は是非スクリッティポリッティをお見逃しなく。

※スクリッティポリッティの今までのアルバム(視聴もできます)http://www.amazon.co.jp/gp/browse.html/503-0782690-5972753?node=586654