ときめきと戸惑いを その胸にしのばせて

う〜ん、そうだったかなあ…と思いつつ、『R-1ぐらんぷり 2回戦』@東京について。

R-1ぐらんぷり 2回戦』(ラフォーレ原宿

3日と4日の2日間に渡って行われた東京2回戦。どちらも半分ぐらいしか見られなかった上に、準決勝進出者も3分の1ぐらいしか見てないという状況なのですが、ざっくり感想を書いてみたいと思います。

全体としては、「マニアックモノマネ」をやる人がかなりいた気がします。似てる・似てないより、目のつけどころが大事だったりするネタですが、ただ重箱の隅を突くだけとか、モノマネを羅列するだけでは面白くならないみたい。その点、マニアックモノマネのきっかけとなった『とんねるずのみなさんのおかげでした』の「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」の常連で、釣り師や鷹匠のモノマネをするくじらさんは見せ方も含めて面白かったです。去年の『R-1』でも「今のは××さんというより、○○さんでしたね」とさらに細かいところをつくコメントで笑いを誘っていましたが、今年もそんな感じ。準決勝にも駒を進めました。逆にかつて「細かすぎて〜」に貴乃花親方のマネでよく出ていた木村晃健さんは、ちょっと行き過ぎてしまったかも。いつの間にかプロになられたようで、貴乃花親方だけでなく他の力士のモノマネをしたり、まわし姿でモー娘。の曲に合わせて踊ったりしてたけど、個人的には前の方が好きでした。プロとしてはいろいろやらなきゃいけないんでしょうけどね。この日は他にさらにマニアックな力士モノマネをした人がいたので、そんなところも不運だったかもしれません。

モノマネと言えば、マニアックな方ではなく普通のモノマネで登場した桜井ちひろさんは、見せ方がとても上手で面白かったです。アルプスの少女ハイジ』の設定で、ハイジから『家政婦は見た!』の市原エツコさんやかつみ・さゆりのさゆりさんになり、のび太が出てきたかと思えばしずかちゃんも出てくるし、最後は倖田クミさんまで。これがちゃんとストーリーにのっとっているので、ただ「似てる〜」と感心するだけでは終わりませんでした。これで見事2回戦を突破。次も楽しみです。

他に多かったのは漫談スタイルでしょうか。カナリア・安達さんのフリップを使った英会話講師ネタは、相撲のことを「下着的なものを引っ張る」みたいな感じで説明するあたりがツボ。声の感じのせいもあると思いますが、宮崎吐夢さんのペリーみたいで、そんなところも含めてニヤけてました。バッドボーイズ清人さんの幸せになるフレーズを言うヘタウマなラップも その空気感がね〜、なかなか捨てがたい。それとはおそらく対極にあるであろう、ハリウッドザコシショウキン肉マン漫談も『キン肉マン』をほとんど知らないにもかかわらず、笑わされてしまいました。しかもかなり。こんな人が合格したらいいなあと思っていましたが、結果は3人とも2回戦敗退でした。残念。

意外と少なかった気がしたのは1人コント。その中ではハローバイバイ・金成さんの食品工場の裏側を赤裸々に描いた(笑)コントは、かなり好きでした。ちくわとかシューマイとか小籠包を作る仕事を新しく来た人に説明するのですが、シューマイのグリーンピースは人が一回転しながら置いてたり、ちくわは口で吸って筒に入れてたり(苦笑)。面白かったし、お客さんのウケもよかったんですが、ここで敗退となりました。同じく2回戦敗退の中では、よろこんで佐藤さんの日本についてのレクチャーネタもなかなか。「お風呂のいただき方」を教えていたのに、「入るときには『絶対押すなよ』と言う」とか、押された後で「『殺す気か!』と叫ぶ」とか、どうも日本流というよりダチョウ流でした(笑)。逆に合格した方では、やまもとまさみさんのゲイの店長ネタが面白かったです。アルバイト募集広告の間違いをねちねち言うコントで、テレビでも見たことがあったけど改めて笑っちゃいました。同じく合格者のジャリズム・渡辺さんもベリーグッドマン。亡くなったコスプレ友達にお葬式でいろんなコスプレ写真を見せるのだけど、それが透明の包みにくるまってハッピーターンとか茶色の全身タイツで縛られて「チャーシュー」とか、そんな感じ。あれはいいですな。ただ、ルミネでやっても後ろまで見えるんだろうか…。

他には、ユウキロックさんの落語風漫談はいいと思ったんだけどなあ。ダジャレとか、おかんのしょうもない話とかの小ネタ集っぽい感じで、笑いが少ないとお客さんに銃を向ける脅迫小噺(笑)。話の内容は、何となく師匠の小噺みたいな雰囲気で面白かったです。落語といえば2回戦1日目は本物の落語家さんも出場していました。それが春風亭栄助さん。扇子の使い方とか、1人で2役も3役もやる落語の面白さとか、「落語のイロハ」を教えるみたいなネタをしていましたが、笑えるというより興味深い方の面白さが強かったように思います。

というわけで、2日間の合格者の数は32人。3分の2は元々ピンで活躍している芸人さんです。去年の博多華丸さんの影響もあるのか、普段は相方と一緒に舞台を踏んでいる人たちのエントリーも多かったわけですが、やはり1人となると勝手が違うのかもしれません。今はとりあえず何でもやってみることがチャンスにつながるみたいなので、チャレンジするのはいいことだと思います。でも正直、2回戦を全部見るのはかなりつらい修行という気がしました(苦笑)。『M-1』ともまた違う感じで。半分でも相当なものがあったしなあ。ま、準決勝はもう少し楽しめるでしょう。期待しつつ見に行ってきます。

※追記※
東京予選・準決勝の感想コチラ決勝進出者に関する記事コチラです。

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