ごきげんラクゴ

前回の『おしゃべり いいたより』参加の方から、今発売中の『BRUTUS』で落語を特集していると聞き、早速買って読みました。なので、その感想など。

BRUTUS』(マガジンハウス)

今回は「ミュージシャンと作る『落語』特集!」井上陽水さんが立川志の輔さんと対談したり、東京スカパラダイスオーケストラのメンバーが寄席に行ったり、オレスカバンドが浅草の演芸関係のCDが充実している店で「ジャケ買い」をしたりしています。後半では、2人の落語家さんの同じ演目を聞くコーナーとか、落語にまつわる情報サイトや近日中の落語会のスケジュールなどもあり、きっかけ作りという意味では楽しめる内容だと思います。

私は親の影響で落語に触れ、途中からは子供向けの落語全集を読むという、今思えばかわいげのない、気色の悪い(苦笑)子供時代をすごしたわけですが、そんなこともあって、落語というのは未だに「おはなし」の分野の1つのように感じています。だから「誰々が演じた『××』という演目はすごかった」とか、そういうことは全然語れないし、目の前で語られたところで分からないので全然響いてこない(笑)。

それができるようになればまた新たな面白味も出てくるのだろうと思うけど、本当に語れるようになるまでは時間もかかるし、そんなことばかり気にしていたら全然楽しくありません。面白がるべきところで眉間にしわを寄せているようでは、つまらないことこの上ない、でしょ?

というわけで、私は最初の一歩として、落語家さんにこだわらず、まず本で話を知るのもいいんじゃないかなあと思います。コントや漫才と違って、落語はいろんな人が同じ話をやっているので、ストーリー展開さえ分かれば誰が演じていようとも楽しめます。何度も見ていくうちに、話は同じなのに噺家さんによって違いがあることに気づいたりもして、そうなるとちょっと「通」気分も味わえるし、さらに落語が面白くなります。小難しいあれやこれやにこだわらず、まずは想像力を豊かにしてリラックスしながらニヤついてるのがよいかと。そうこうしているうちに、だんだん落語を楽しむ基礎体力がついてくるんじゃないでしょうか。

ちなみに、我が家で時々話題に出るのは、亡くなった十代目桂文治さんの『反対ぐるま』という落語。とんでもないスピードで走る車屋さんの話ですが、文治さんの場合は座布団から落ちるんじゃないかというぐらいの動きで、子供ながらに見ていてすごく面白かったのを覚えています。文治さんはほかの落語でも威勢がよくて慌てものといった雰囲気をかもし出していて、「見て楽しい」落語家さんだった気がします

なかなか敷居が高いと思われがちな落語ですが、最近は中川家が末広亭で単独ライブをやったり、落語も本職の方々だけでなく、タレントさんたちが稽古して舞台に上がったりしているようです。また、逆に立川志の輔さんや柳家花緑さんのように、テレビでもお馴染みの落語家さんもいらっしゃいます。気をつけていないと情報を見逃したりもしますが、そういう方は7月18日の桂三若さんの落語会に来ていただけるとよろしいかと(笑)。

すでに何人かの方から参加希望のご連絡を頂戴しており、ありがたい限り。全然落語を語れない私の主催なので、敷居は低いというより、めり込んでるぐらいで(苦笑)。6月の『おしゃべり いいたより』と合わせてお問い合わせや参加希望を受け付けております。あれこれ逡巡するぐらいなら、勇気を持って今すぐここからメールをどうぞ。大丈夫、とって食ったりしませんから(苦笑)。

■『たよりがないのは いいたより』では、6月に第2回オフ会的お楽しみ会『おしゃべり いいたより』そして7月には『落語会』を開催することになりました。落語に触れる機会が全然なかった方も、プロの落語家さんに直接質問をぶつけてみたい方も是非どうぞ。『おしゃべり〜』の詳細はコチラ、落語会についてはコチラをどうぞ!